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TOP1%論文に選出

昨年度投稿した論文「Catalytic activity of graphene-covered non-noble metals governed by proton penetration in electrochemical hydrogen evolution reaction」がWeb of Scienceの化学部門にて、TOP1%論文に選出されていました。トップ引用論文の仲間入りでき、大変良い成果となりました。相当難しいですが数年に1度は取れるよう研究を続けたいと思います。 TOP1%論文とは この 高被引用文献 は、フィールドおよび出版年に対する高被引用文献のしきい値に基づいて Chemistry のアカデミックフィールドの上位 1 % にランクされる十分な引用が行われました。 伊藤良一

ENEOS中央研究所見学

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ブルネイからの国費留学生(博士課程後期)Aimi Asilah Haji Tajuddinさんと一緒にENEOS中央研究所先進技術研水素キャリア部門に訪問し、水電解研究に関する共同研究打ち合わせを行ってきました。大学とは規模感が異なり、大きい器具や装置がありました(お見せできませんが)。石油プラントの近くに研究所があったので記念に写真を撮らせていただきました。ブルネイとENEOSは水素サプライチェーンで関係があり、水素事業で重要な役割を果たすようで今後も研究を続けていきます。 (本訪問、ワクチン接種後です) 伊藤良一

二酸化炭素吸収材で表面を被覆したスズ電極により ギ酸合成速度を24倍に高速化

カーボンニュートラルの社会を目指した電気化学的二酸化炭素還元の研究のプレスリリースを行いました。 2021/08/18の日経産業新聞に記事として取り上げられています。 内容 カーボンニュートラル実現に向けて、再生可能エネルギーを用いて電気化学的にCO2を還元し、メタン、メタノール、ギ酸などの有用な化成品を合成する化学的固定化技術の開発が急務となっています。そのための電極としてさまざまな材料が開発されていますが、いずれも、合成速度を高めようとすると、目的以外の副成物も合成されてしまう(生成物の選択性が低い)という問題がありました。本研究では、従来の二酸化炭素の電気化学的還元研究を見直し、目的生成物の合成速度と選択性を両立する手法を世界で初めて確立しました。 プレスリリース本文は こちら 。 原著論文 Polyethylene Glycol Covered Sn Catalysts Accelerate the Formation Rate of Formate by Carbon Dioxide Reduction 伊藤良一

数学者と実験科学者との共同研究

数学者である東北大学小谷元子教授らと数学を用いた材料開発に関する論文を発表しました。数学といえば、現実の現象を表現するのに向いていないようなイメージがあるかもしれません。しかし、数学は複雑な現象を本質を捕らえることに秀でており、これまでその本質を材料設計に結びつける手段がなかっただけ、といえます。本研究では、数学用語のである「曲率」に着目し、曲率がいかに材料の特性に影響を与え、材料設計に有効であるかを数学的、物理的、実験科学的に証明をしました。また、数学を用いた材料設計の指針も明らかとしました。詳細はプレスリリースを参照ください。 数学者との共同研究は、人生で初めてあり、数学者は全く異なる視点で研究をしており、非常に勉強になる経験でした。 参考 数学を取り入れたシミュレーションで材料設計を加速 原著論文(オープンアクセス) Geometric model of 3D curved graphene with chemical dopants 伊藤良一

新しい実験室

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新学期が始まり新しい実験部屋を頂きました。大変ありがたいことに今の実験室の向かいという最高のロケーションです。退官された先生の部屋を引き継いで新しい実験室を立ち上げることが多いため、部屋が飛び地になることが多いのですが、幸運にも真向い、徒歩10秒です。更なる研究発展と学生教育に向けて大切に使わせていただきます。 伊藤良一

化学 2021年5月号 解説記事掲載

【解説】グラフェンを被膜した卑金属電極──白金代替電極へ向けた防食と触媒作用の両立 ●伊藤良一 という解説記事が雑誌「化学」で紹介されました。 化学 2021年5月号 https://www.kagakudojin.co.jp/book/b577800.html 伊藤良一

スズとグラフェンの界面を利用した二酸化炭素を高効率に還元する新しい触媒を開発の補足

プレスリリース「スズとグラフェンの界面を利用した二酸化炭素を高効率に還元する新しい触媒を開発」では書ききれなかった細かい技術的点を掲載しておきます。我々のグループは基礎研究を目的としていて、成果の共有が大切を思っています。我々の成果をご自身の研究にフィードバックするときは以下の点をご一考ください。 朝日新聞「CO2を燃料電池材料に 新技術を開発、金沢大など」 にも掲載されていた内容の補足にもなります。 ①触媒とCO2吸着担体と物理的にぐるぐる攪拌した程度では効果が出ません 錫ナノ粒子と酸化グラフェンフレークをアルゴン雰囲気下でシンタリングして作製しています。別々に用意した錫ナノ粒子と酸化還元グラフェンフレークを物理的に混ぜてシンタリングした試料と比較したところ、物理的に混ぜた触媒は性能が出ませんでした。物理的に混ぜているため、ナノ粒子が担体にがっちりとくっついていないことが原因である可能性が高いと思われます。担体からCO2分子が移動してくるには触媒がしっかりと担体に固定されている必要があります。 ②担体として酸化還元グラフェンはお勧めしません 今回の論文はメカニズムの実証を目的とし、実験室規模で「作りやすさ」と「測定しやすさ」を重視した組み合わせです。いろいろ検討した結果、酸化還元グラフェンは電解合成に耐え切れず、自身を分解していくことがわかりました。分解した物質は不純物となり、ギ酸の純度やファラデー効率を下げました。化学的に安定な担体の探索が必要です。高温で駆動させることを考えると耐熱性も必要となります。検証していませんがCO2吸着力が強く電気さえ通れば有機物である必要性はないと考えています。 ③ギ酸、メタノールなどの定量評価は核磁気共鳴(NMR)法で (研究者向け) NMRとガスクロマトグラフィー(GC)法ではNMRのほうが精確よいとされ、アメリカ系やヨーロッパ系学会ではNMRが推奨されているようです ④3極式測定をする場合、対極は金電極 (研究者向け) 白金電極が一般的に対極として使用されていますが、白金は溶出するので適切でないと判断される場合が多くなってきました。また、グラファイト棒を代替として使う場合もありますが、グラファイトにギ酸が吸収されてファラデー効率が下がりました。金電極が今のところ適切とされています。 伊藤良一